昨日、会社帰りの電車での話。
僕は立って、吊革に掴まりながら、本を読んでいた。
小川洋子の「余白の愛」というの。もうじき終わるのだ。。。
会社の往き帰りに読んでいて、いま少しだけはまっている。
前にある7席は既に埋まっている。
右から、よそ行き着で買い物帰り風の初老の♂。
この人が僕の前に座っている…チョットそこまで、というカジュアルなイデタチの♂。
映画の帰りのカップルの内の♂。彼女を前に立たせて観て来たらしい映画の話をしている。
疲れきった♂。
♀4人組の内の3人が座っている。
ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ…これで7人。
僕の右隣は、完全にダレた♂。吊革にぶら下がってる感じで、立ってるという形容はしがたい。
僕の左隣は…左前に座ってる♂の彼女。
今日は、仕事も順調だったし、忙しくもなく、早く帰れるというのが嬉しくて、少し上機嫌。
これまた、小川洋子も引き込んでいくので、ちょっと夢中になっていた。
電車が止まりかけたときに、僕の前の♂が降りた。
カジュアルなイデタチな♂だ。
前の席が空いた。
ま…、この状況では、僕に第一優先権がある。
右側の♂から、圧力が感じられたので、牽制して…
左前の♂の顔見てみた。
『なんだよ?』って顔をしたので、更に左を向いて、
そいつの彼女に「どうぞ…」と声をかけて、手を差し出した。
その子は、「ありがとうございます」と言って座った。
別にいい人になりたいとか、そういうことは一切なし。
なぜ、そうしたのかも、未だによくわからないしね。
でも、特に気にせず、小川洋子し続けた。
ただ、ひとつだけ変化したものがある。
電車が少し混んできたので、押されて、ふたつ左に移動。
ここで、ふたつ左に移動という言葉に疑問を感じた人は、満員電車慣れしてないよね。
そう、立ってる位置を「ふたつ」という数え方はしないけど、吊革があるから、ふたつ移動と数えるのが僕の心の中での数え方。
…基い。
次の駅でのこと。
僕の前の疲れきった♂が降りた。
座りたいと思ってる時には、なかなか空かない席なのに、
今日はどうしたものかね…と思っていた。
座る気はないので、少し右にズレてみた。
したら、前に座っている♀4人組の内の3人が座っている人たちのひとりが、
たっている仲間の腕を手繰って、
「コイツに座られる前に、座っちゃえ」という勢いで座らせた。
勿論、その後は、「ずーーーーーっと前から座ってました」という体だ。
それが『癪』だという話ではない。
僕は良い人になりたいとか全然ない。
僕だって、誰よりも座りたい人間だ。
目の前の席が空いて、座らないことなど、めったにない。間違いない。
でも、今日は2回座らなかった。
して…僕の降りる駅で降りた。
少し雨が降っていた。「チェッ、ついてないよ」とか思って、発車する電車を横目で見たときだ。
最初に席を譲った、♀が窓越しにコチラを見ている。
目が合う…会釈をされた。。。
僕はどう思ったと?
僕の友人に神サマが好きな人がいる。(神様ではない)
信仰に厚いという訳ではなく、一種の口癖。
何かあると、「きっと、神サマが決めたんだ」とか、
「神サマが、そう言ってた」とか言うのです。
本人も滑稽と思ってる節があるから、更に面白い…。
で、きっと、あの子は、僕がどうこうではなく、
神サマが、あの子は良い子だから、席に座れるようにしたのだと思った。
とても清々しい気持ちになった、このコトがすごく嬉しい。
席を譲った事が嬉しいのではなく、あの子に出会えた事が、
とても清々しく嬉しいと思った。
こういうことが、毎日毎日、ひとつずつでも増えていけば、僕もみんなもHappyになれるのにね。
最近、Happyなことが少なかったので、昨日はとても素敵な日となった。
自分にユトリが出来れば、素敵な毎日になりそうだよね。。。
てな、日でしたとさ。
あ~、長かった^_^;